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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

線上閱讀大鹿 卓《渡良瀬川(わたらせがわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 280,528 字 · 557 頁

青空文庫

彼等は一旦事務所へ引きとり、午後、さらに憲政党本部へ行って武市幹事に面会した。三日には山林局、鉱山局、水産局等に出頭した。

正造は淵江村の件で無理をして以来、どうも病気の経過が思わしくなかった。それでも総代たちだけの陳情に委せてはおけないので、二日には農商務省次官、四日には農商務大臣、五日には大蔵大臣に面会した。松田大蔵大臣はいった。「なにより総代たちを早く帰国させたらどうか」正造は憤然としてそれに答えた。「いや、総代はもっと増加させねばならん。関係官庁が多いから、五十人じゃとても手が足らぬ」

しかし総代たちは、洪水の余毒のなかに妻子を残して上京しているのだから、荏苒と日を送っていることは許されなかった。家族から手紙で飢餓を訴えられている者さえ少くなかった。その日、正造は事務所へもどって、数人を残して他は追々と帰国するようにとすすめた。その結果、大出喜平、稲村与市、野口春蔵の三名が残ることになった。野口は過労から病を得て芝浦の塩湯に休養していた。

八日、正造もついに信濃屋に寝こんでしまった。人々が心配して医者を呼んだりしたが、病人は案外に元気だった。