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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
線上閱讀大鹿 卓《渡良瀬川(わたらせがわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 280,528 字 · 557 頁
一帯の稲田はやや穣りを見せていたが、その稲葉の中に到るところに毒塚が点在していた。次に庭田恒吉の案内となって吾妻村大字下羽田へ来た。そこでまた河岸一帯の竹藪の竹が思いのままに手で引抜けることを確め、庭田の宅地内に二十九年の残留澱土が厚さ五尺に達しているのを検べた。さらに字椿田は二十九年の堤防決潰でできた沼を見、附近の桑畑の荒廃しているさまを見た。
八日は、毛野村大字川崎にゆき、岩崎佐十の案内で陸稲、蕎麦、蜀黍の生育不良のありさまを検べ、堤防三カ所の決潰の跡に立ち、竹藪の枯凋しているのを眺め、堤上から東北の堤下一帯の桑畑が大半荒蕪と化しているのを瞰望した。つぎに稲村与市を案内として久野村大字久保田及び大字野田を巡った。上高橋の渡船場の堤下には、二十九年の決潰を修築するのに土を採った跡が、一丈余の窪地になっていた。堤上に立つと、東南一帯は眼路のかぎり茫々たる大砂原で、その中に小丘状の毒塚が無数に連っていた。それは嘗て正造が「宛然松島です」といった二十九年頃の比ではなかった。その広さ凡そ五十町歩。
九日は一日臨検を休んで、十日は亀井朋治の案内で多々良村大字日向及び大字木戸を経て、次に小林善吉の案内で渡瀬村大字上早川田へ行った。