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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
線上閱讀大鹿 卓《渡良瀬川(わたらせがわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 280,528 字 · 557 頁
その混雑の通りすがりに、井戸端の板葺屋根の下に洗い米の笊がいくつも積重ねてあるのが、目に痛いほど白かった。来る途中被害地で、折れ伏した枯稲が刈りとられもせず薄氷にとざされていた光景がよみがえって、ひそかに苛責にちかいものを覚えた。
これよりさき正造がまだ滞京して各所の政談演説会に臨んでいるとき、早くも栃木県第三区青年団体の名で「我三区衆議院議員候補者として民軍の驍将たる田中正造君を撰定す」という広告文が新聞に載りだした。正月早々、佐野町春日岡の総宗寺本堂に安蘇郡の有志が集合して衆議一決した結果である。当日、近郷の各町村から駆せ参じたのは、村山半、津久居彦七、蓼沼丈吉、湧井藤七、関口忠太郎、川俣久平、寺内清次、島田雄三郎、新井保太郎、藤沼友次郎、板橋六郎、川島治平、青木清蔵、吉岡耕作、天海浜吉、内田卯三郎、栗原喜蔵、岩下喜右衛門等の百余名いずれも正造の民権運動時代からの同志というべき人々で、嘗て彼の組織した中節社や改進政学党の社中だったものも多い。
矢の催促で帰郷をうながされていた正造がようやく姿を現したのである。奥座敷に集っていた十数名はざわめき立ってむかえた。