輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

かせいのまじゅつし

火星の魔術師

蘭 郁二郎

線上閱讀蘭 郁二郎《火星の魔術師(かせいのまじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,120 字 · 302 頁

青空文庫

そこまでいった大村昌作は、ギョッとしてそのまま立ち竦んでしまったのである。

英二も、硬張った横顔で、眼ばかりギョロギョロと動かしていた。

何時の間にか二人は、何んとも、得体の知れぬところに、迷いこんでしまっていたのである。

秋の陽は、澄み切った青い空からあたり一面に、サンサンと万遍なく降り灑いでいる――だから夢ではない。

いや、つい先刻、こうやって二人連でぶらぶら話しながらやって来て今まで、溝一つ飛越えた覚えはない――だから此処は、現実と飛離れた別世界ではない。

その筈なのに、ふと気がついて見廻したあたりの様子は、何んとも得体の知れぬ、とてもこの世のものとは思われぬ――つまり想像し難い別世界の有様なのであった。

化物果実

「昌作さん――」

「なんだい英ちゃん――」

二人は、無意味にお互いを呼びあっただけで、あとが続かなかった。

火星の話が、なんだか気味の悪い生物の話になっていたせいばかりではなく、このあたりの様子は、とにかく断じて普通の眺めではなかった。

丁度、大村の話が火星の進化した植物の話になって、火星にももし栗の木や柿の木があったとしたら……と指差した傍らの栗の木が、まず第一に気のついたはじめだった。