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げんだいてつがくこうわ

現代哲学講話

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《現代哲学講話(げんだいてつがくこうわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,337 字 · 522 頁

青空文庫

だから哲学の個々の内容を具体的に而も相当一般的に知るための、何よりもの入門書は、本来は哲学史自身だとさえ云わねばならぬ。

私は併し今ここで哲学史の要約というような、極めて重大な仕事を企てようとは考えない。私は寧ろ哲学のごく形式的な諸要点に就いて、単に私見を述べてみたいと思うだけだ。それは、案外その方が、哲学入門として役立つかも知れないと思うからである。所謂哲学概論や哲学史やの教科書は一種の辞引として参考書の役には立つが、それだけでは必ずしも哲学の精神や手口を伝えるものではないだろう。

人間は哲学をどういう動機から持つようになったか、又は、どういう動機から哲学者が生じたか。ギリシアの哲学者自身がこの動機を驚異に置いたことはよく知られている。驚異は、人間の実際生活の利害関係から離れて事物そのものが有態に有っている価値を玩味することである。空の星も人間の道徳も、驚異に値いすればこそ、哲学的に研究される動機を有つのだと考えられる。――だがよく考えて見ると、本当に吾々人間の実際生活に現実的な関係のない事物は、元来吾々人間の注意を惹くことは出来ないだろうから、驚異と云っても本当は利害関係と独立なのではない。