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げんだいてつがくこうわ
現代哲学講話
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《現代哲学講話(げんだいてつがくこうわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,337 字 · 522 頁
却って、その利害関係があまりにも普遍的で凡ゆる場合に浸潤している結果、とり立てて特に利害として意識されないような利害が、「驚異」の対象として選ばれるに過ぎないのである。
星や太陽の運行や変化は、沙漠の旅や航海や耕作生活にとって、一時として忽せに出来ないものであるからこそ、人間に不可思議感をも催させるわけであり、又之と全く同じことが、道徳感に就いてならばもっとハッキリと言えるだろう。ただこうしたものは、あまりに普遍的で凡ゆる場合に浸み渡った利害であるために、この利害を確実に打算するためには、却って部分的にしか影響しないような特殊な「利害」は之を超克しなければならないわけで、そこに実際的な――実践的な――生活から一応離れたように見える哲学的理論の世界が出現すると考えられるようになるのである。
だが、哲学の理論は、それが出て来た動機から云って、現実生活の利害を離れることが目的であってはならなかったので、却って現実生活の総利害を、大きく大局から統一する必要から出て来たのだから、哲学の動機は、実際生活自身の組織的な整理進展という処にあると云う他ない。理論の本当の動機は実践にあるので、所謂驚異は単に、この動機を壮厳に見せるためのゴシックの尖塔や、この動機をアトラクティヴにするためのショーウィンドウのようなものに対する