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しほんたいへいき

私本太平記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《私本太平記(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 126,598 字 · 254 頁

青空文庫

かわりばんこ

の約束事にまかせて来たなどが、悪因となったのは争いえない。――そのためついに“皇統の連綿”も“万世一系”も乱脈の相を来して、南朝北朝、しのぎを削る国内の大分裂を招来するにもいたったのである。

では、それはどんな事情から始まったかというに。

当年の後醍醐天皇からさかのぼって、およそ九十年前に、

後嵯峨天皇

がある。

この帝は、北条氏のさしがねで、北条氏が推したお方だから、一も二もなく関東方には御柔順だった。そして、中宮ノ西園寺子の産んだ第一皇子が四歳となると、御位をゆずッて、これを、

後深草天皇

と立てたのである。

ところが、その後、同じお腹に生れた第二の皇子を鍾愛のあまり、いわれもなく、後深草を十七歳で退位させ、第二皇子十一歳を立てて、

亀山天皇

となさしめた。

後に。

後深草は、持明院を御所としたので、持明院統とよばれ、亀山は、大覚寺にお住みだったので、大覚寺統と世間がいった。

そしてまた、これが“両統迭立”の端緒にもなったのだ。

なぜといえば。やがてその皇太子に、父帝の後嵯峨は、またも弟の亀山天皇の皇子を立てられたからである。