輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 126,598 字 · 254 頁
――といってもまだ、ふたりともに、公卿生活と女院の内のみやびから恐々ただよい出たばかりである。烈しい生存の荒海にも、食うためには咬み合いもする庶民の肌にも、なかなか溶け入れないのであった。まして、住みなれた都を遠く去るほどな勇もなく、その流浪も、摂津、和泉、河内の辺にとどまっていた。
こんな間に、卯木は、また次の子をみごもった。
一そうの朽舟を手に入れて、以後、舟世帯に移ったのも、産婦と赤子のためだった。
まもなく、古市の一夜、思わぬ災難から、浮き巣の世帯も失い、また夫婦とも、六波羅兵の藤井寺の屯につながれて、あげくに、二度目の子まで亡くすに至ったものである。
おもえば、初産の子といい、藤井寺で死なせた子といい、何の宿縁で、こんな薄命な親の下に生れ、笑顔一つ覚えぬまに、闇から闇へ、消え去って逝ったのだろうか。
そもそも、自分たちの恋なるものは、初めから、実の結ばれない約束にある非縁な結合なのだろうか。そのため、人の世には容れられず、神や仏にも、憎まれているものなのか。
以上を。
ふたりは、語り終って、
「つまらない身の上やら愚痴やら……。つい何もかも申しあげてしまいました。