輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《美少女一番乗り(びしょうじょいちばんのり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 73,583 字 · 149 頁
――摩耶谷の一族が鹿追沢の砦へ夜討をかけるから、姉小路の軍勢もすぐ繰出すよう。
と伝言を添えて使者に立て、
「いざ!」
大薙刀を挙げて叫んだ。
「鹿追沢へ、鹿追沢へ」
「わあっ」
怒濤のように鬨をつくって、一族九十余人は、まっしぐらに押出した。
嶮路相つぐ深林渓谷も、なれた人々には物の数ではなかった、鬼火のような無数の松火が、密林を縫い、谷を渡り、尾根へ尾根へと登って行く、寝鳥は驚いて舞立ち、狼狽して逃惑う野獣の声も凄まじい。――勝手知った抜け道から抜け道を伝いつつ、片時も休まず押しに押した同勢は、およそ深夜八つごろ、木曾方の出城鹿追沢の背面へ現れた。
城といっても、この辺にあるのはまだ館にやや規模を加えたほどのもので、多少地の利を占め、柵や壕を廻らした程度であるから、不意を襲われると脆いものだった。――殊にそのとき鹿追沢の砦は守備も薄く、二百余人の兵しか屯していなかったので、摩耶谷一族の奇襲は完全にその肝を拉いだ。
「夜討だ、夜討だ、出会え――」
番士の叫びに、城兵が慌てて跳び出した時には、すでに館は火を発していたし、柵を押破り壕を渡った摩耶谷勢が、お弓を先頭に雪崩を打って斬込んでいた。