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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《美少女一番乗り(びしょうじょいちばんのり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 73,583 字 · 149 頁
「でもお姫さまにたったひと言」
「黙りゃ、盗人の分際で汚らわしい、再びお姫さまなどというでない、行きゃ」
何かいいたげな千草を、老女は容赦もなく押しやりながら、お局部屋へ入るとそこへ突放すように坐らせて、
「これが武士なら切腹して申訳するところじゃぞ、しかし日ごろの御寵愛もあり、殿様御重病の折柄ゆえ命だけは助けまする、――いずれお沙汰のあるまで家に戻って謹慎しや」
「はい」
「着類や道具はのちに持たせてやる、直ぐに立ちゃ」
「御老女さま」
千草は涙にぬれた顔をあげて、
「ひと言お姫さまにお伝え下さいまし、どうぞ和蘭人形を大切に遊ばしますよう、決して他人の手に取られぬよう……」
「お黙り、おまえさえいなければ、二度とこんな事はあるはずがないのじゃ」
「でもどうぞそうお伝えを――」
そういって千草は悄然と立上がった。
果して千草は、姫君の人形を盗んだのであろうか、それとも姫のいったように、誰かが千草を陥れるために企んだ事であろうか? 千草はひと言の弁解もせず、かえって自分が致しましたとはっきりいったけれど、そこに何か秘密があるのではないだろうか⁉
千草がお小屋へ帰ると、誰か客が来ている様子だった。