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びしょうじょいちばんのり

美少女一番乗り

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《美少女一番乗り(びしょうじょいちばんのり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 73,583 字 · 149 頁

青空文庫

「大九郎、会津武士は恥を知るものぞ。これに懲りて再びこんな事はするなよ。貴公の父は鉄砲組頭という立派な武人だ、――それを忘れるな」

そう言い捨てると、小房を促して足早にそこを立去った。

「――有難う存じました、市さま」

「危ないところでした。大九郎は仕様のない暴れ者です。怪我はありませんでしたか?」

「いいえ……」

小房は悲し気に頭を振ったが、

「でも、あの方ばかりが悪いのではありません。父にも悪いところがあるんです。――父があんな変わった性質でなかったら、世間の方たちも小房をこんなに憎みは致しますまいに」

「それは違います、小房どの――」

言いかけた時、

「お兄さま」

と叫びながら、市之丞の妹菊枝が、屋敷の門から小走りに出て来た。

「まあ小房さまもいらしったの?」

「菊枝さま、――」

「しばらくですわね、ようこそ」

二人は走り寄って手をとり合った。

小房を家へ伴い入れた菊枝は、久しぶりの親友の訪れにすっかりはしゃいで、半刻あまりは息もつかずに、会わぬあいだの事を訊ねたり話したり、また買って貰った京渡りの髪道具や、新しい衣裳を並べて見せたりしたが、――ふと小房の浮かぬ様子に気付いて、