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「ふんしょじだい」のしゅつげん

論理とその実践――組織論から図書館像へ――

中井 正一

線上閱讀中井 正一《論理とその実践――組織論から図書館像へ――(「ふんしょじだい」のしゅつげん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 57,021 字 · 120 頁

青空文庫

私も一生、あの時の如く「第九シンフォニー」を激情をもって聴いたことも、また聴くこともあるまい。私は会が終って、感動の激情を聴衆に伝えずにはいられなかった。

これが一つのエポックとなって、日曜日の午後三時から毎週、「希望音楽会」をつづけたのであった。絵の展覧会も、座談会がきっかけで書庫の前に二十点ばかりを常置した。街に出す展覧会の広告が、また、その頃では街に咲く一つの華ともなり、「平和が来たんだぞ」という一つの呼びかけともなったのであった。ボロボロの図書館は、かくして、ボロのフォードが身震いして走り出したように、ついに動きはじめたのであった。これはまた、青年達を、一種の好奇の眼をもって、周りにひきつける役割を果たしたのである。「あっあのボロ車が?」と。

特攻隊の神風隊の大尉であるまたは復員の陸軍少尉殿である青年達は、この図書館で、丁稚達を教育しようと考えついた。そして教師陣を編成した。私もその一人に加わった。文化史、社会学、哲学、経済史、簿記、法律学、歴史学、英語、独逸語等を三時間ずつ毎夜授講することにした。炭がもらえない冬の図書館の夜は殺人的だった。