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うしすてばうますてば
賤民とは何か
喜田 貞吉
線上閱讀喜田 貞吉《賤民とは何か(うしすてばうますてば)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 116,870 字 · 229 頁
19 近世におけるいわゆるエタの沿革
しかもその濫僧たるや、多くは同情すべき社会の落伍者の末であった。
19 近世におけるいわゆるエタの沿革
上述の如く、濫僧すなわち下司法師の流れの末が、大宝令規定以外の種々の賤民、すなわち「下り者」として、中世以降に多く現れて来たが、中にももと同じ流れの者ながら、その従事する職業に依って、世間のこれに対する感じがだんだん違って来る。かくて長く同じ職を続けているうちには、甲と乙との距りがますます遠くなり、世間からはまるで別の筋のものの如くに考えられるようになる。ただに世間からばかりでなく、もと同じ流れのものでも、自らその由来を忘れて、他の職業のものを疎外排斥するようになる。かの猿楽法師すなわち能役者の如きは、もとはシュクの者の一種で、興福寺では七道の者として、唱門師進退の下に置かれたものであった。されば座頭の仲間からは、後の時代までもなお、「舞々猿楽の如き賤しき筋目のもの」として、同席をまで忌避されたものであったが、しかもその中で金剛、金春、宝生、観世のいわゆる四座の猿楽の如きは、室町時代から既に将軍の前でその技を演じ、後には武家お抱えとなって、猿楽は武家の式楽とまで呼ばれ、猿楽師の身分は高取として、士分の扱いにまでなったのであった。