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うしすてばうますてば
賤民とは何か
喜田 貞吉
線上閱讀喜田 貞吉《賤民とは何か(うしすてばうますてば)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 116,870 字 · 229 頁
4 陵戸
同じ異民族でも、決してそのすべてが賤民として待遇せられたのではない。前記の場合の如きも、捕虜になったという境遇がしからしめたので、民族を異にするという為ではない。もっとも遠い遠い大昔には、秦民のすべてが諸国に分散して、臣連の為にその欲するままに駆使せられたと云う事実もあって、いわゆる秦人がその族を挙げて奴隷の境遇に落ちたというようなことも無いではなかったが、それも雄略天皇の十五年に解放せられて秦造の部民となった。されば少くも歴史時代における実際には、犯罪者或いはその一族の官没せられたもの、或いは合意的に売られた子弟、その他誘拐掠奪等から生ずるもので、要するに生存競争上の劣敗者、社会の落伍者ともいうべきものが賤民となったのであった。したがって事情がこれを許し、解放を得さえすれば、彼らはいつもとの良民となるも、何ら支障がなかったのであった。
4 陵戸
奴婢と並べて大宝令に、五色の賤民の一つとして数えられた唯一つの陵戸は、少しく性質の違ったものである。彼らはむしろ後に説明する雑戸とか、品部とかいうべき種類のもので、一定の職業に従事する部族であるが、しかも他の雑戸や品部が賤民の仲間に数えられずして、ただひとり陵戸のみがここに加えられたことは、同じく一定の職業に従事するものとはいえ、その従事するところが陵墓の事に関し