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うしすてばうますてば
賤民とは何か
喜田 貞吉
線上閱讀喜田 貞吉《賤民とは何か(うしすてばうますてば)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 116,870 字 · 229 頁
インドに云う旃陀羅は、「飜訳名義集」にも「此云二屠者一」とあって、屠殺業者の名称であったには相違ない。しかし彼らはただ屠者であったばかりでなくまた実に死刑を執行する獄吏であった。「玄応音義」に、
旃陀羅……此云二厳熾一。謂二屠殺者之種類一之名也。一云二主殺人一。獄卒也。
ともある。彼らはその職業からして、普通人と住居を別にし、互いに相交わる事が出来なかった。ただに相交わる事が出来なかったのみならず、人もし途中で彼らに出合う場合には、必ずこれを避けて相触れる事をまでも忌んだものである。「飜訳名義集」に法顕伝を引いて、
名為二悪人一。与レ人別居。入二城市一則撃レ竹自異。人則避レ之。或帯レ之、人皆怖畏。
と云っておる。この「竹を撃つ」と云うことは、或いは「木を撃つ」とも、また「鈴を揺かして標す」ともあって、いずれも自ら旃陀羅なることを標するの作法である。かくて行人はこれを見てその旃陀羅なるを知り、自ら避けてその穢に触れざるべく注意するのである。故にもし彼らがその標識を怠った場合には、王すなわちこれを罪すともある。けだしこの旃陀羅は、ただに職業を異にするのみならず、また実にその民族を異にするものであって、インドにおける太古の被征服者の子孫等が、気の毒にもこの境遇に堕されたものであったに相違ない。