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うしすてばうますてば

賤民とは何か

喜田 貞吉

線上閱讀喜田 貞吉《賤民とは何か(うしすてばうますてば)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 116,870 字 · 229 頁

青空文庫

つまり新陳代謝が行われて、古い賤者が消えて行って、新しい賤者が起って来るのである。

かく新陳代謝が行われる中にも、平安朝の中頃以後に輩出した浮浪民は、令制の賤民の代りに生じた新賤民の起原をなしたもので、その顛末は我が賤民史上最も注目すべきものである。しかもそれが「聖の御代」とまで言われた延喜の頃から、既に甚だしくなっていたのには驚かざるをえぬ。

「延喜式」に「濫僧屠者」の語があり、下賀茂すなわち賀茂御祖神社の付近に、その居住を禁止している。御祖神社は賀茂川と高野川との会流の地にあって、その河原にはこれらの輩が群がり住むが為に、特にこれを禁止したものであったと解せられる。

ここに濫僧とは、当時の文章博士三善清行の「意見封事」に、当時の人民課役を避けんが為に、私に髪を剃り、猥りに法服を着けて、法師の姿に身をやつしたというそれである。「家に妻子を蓄へ、口に腥を啖ふ」とあって、すなわち肉食妻帯の在家法師であり、その「形は沙門に似て、心は屠児の如し」とあって、もちろん仏教信仰からの出家ではなかった。しかもその数が「天下の三分の二」に及んだと清行は云っている。