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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

線上閱讀海野 十三《超人間X号(ちょうにんげんエックスごう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 頁

青空文庫

「戸山君が、あんまりむちゃなことをやりだすから、こんなことになるんだよ」

「そんなことをいったって、いまさらどうにもしようがないよ。ここまでせっかく来たんだから、博士の出てきた部屋には何があるか、まずそれから探ることにしようじゃないか。そのうちには、また名案も浮かぶだろう」

五人は部屋から飛びだして、いま博士の出てきた部屋の扉の前に忍びよった。扉の引き手を廻すと、さいわいにこれにも鍵がかかっていない。きっと、まさかここまで来る人間はあるまいというので、博士もゆだんをしていたのであろう。

部屋の中には、大きな檻が一つおいてあるだけだった。そしてその檻には、大きなサルが一匹動きまわっていたのである。

日本ザルではなく、オランウータンかチンパンジーの類かと思われたが、そのサルは五人の顔を見ると、とたんに檻の中で飛びあがった。そうしてうれしそうに、涙をぽろぽろとこぼしていたのである。

「おや、へんだね。サルが泣くなんてことがあるのかしら」

「きっと、目にごみか何かが、はいったんだよ」

「しかし、博士はこの部屋で、サルを相手に、いったい何をしていたんだろう」

少年たちが、部屋の中を、きょろきょろと見まわしていた時だった。