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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

線上閱讀海野 十三《超人間X号(ちょうにんげんエックスごう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 頁

青空文庫

何も見えない谷博士ばかりは、熱心に制御台の前でハンドルを廻しつづけている。

が、博士にも、機械人間の足音が耳にはいった。

「おや、まだとまらない。ふん、こっちへ歩いて来たな。もう機械人間はここらで停止しなければならないんだが、はてな……」

すると、博士の耳のそばで、気味のわるい声がした。

「さっきから、からだの中が、もぞもぞとこそばゆくてならないと思ったら、君がこの旧式の制御器で、制御電波を出しているんだね」

「だれだ。そういう君は何者だ」

「私だよ。さっきも君が聞いてくれたね。わけのわからない私だよ。この足音を聞いたら、分かるだろう」

機械人間は、がっちゃんがっちゃんと荒々しく足ぶみをしてみせたが、そのときあいている方の左手をのばしたて、がーんと制御台のパネルを叩きやぶった。

「うわーッ」

博士はとびのいて、その場にころぶ。

「こんどはどこへ行こうか。ここはもう興味をひくものがない」

機械人間は、笑うでもなく怒るでもなく、ひややかにそういって、ひとりずんずんと階段をのぼっていった。

井上と羽黒の二人は、勇気をふるいおこして、怪しい機械人間のあとを追いかけた。