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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,786 字 · 278 頁

青空文庫

この一異説のほかにも、武蔵画はすべて、細川家の絵所の画家矢野吉重の作品であった。武蔵の有名なるがために、後人が吉重の作画に武蔵の印を款したものだという飛躍した仮説を立てた一文も、誰かが、その文章や写真版の載っている美術雑誌を私へ齎しながら話してくれたこともあるが、いまそれを書架や反古文庫に探してみても、ちょっと見当らないので、反説も書けない。しかし、そういう奇説異説も、稀れにあったという一例までに記しておく。もちろん、権威ある美術史研究家のあいだには、問題にも何もなっていない。

武蔵が、どうして、絵画に関心をもったか。また自身、画を描き始めたかという動機を想定してみる場合、そこに“禅”の仲介があったということを除外しては、考えられない。

室町初期以来の――いわゆる足利水墨の興りを観ると、宋末大陸の画風をもっとも早く日本に招来したものは、いうまでもなく、五山の禅僧たちであって、馬遠、夏珪の宣和画院系の墨画あたりから、梁楷、因陀羅、牧谿などの画品を携え帰って、これがやがて東山将軍家の鑑賞に収められ、例の「君台観左右帳記」にも見られるような淵叢を成したことは人も知る所である。