Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Read 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 337,181 characters · 676 screens
明四日は、登城日ではないのに、御老中連署の奉書が参っておる。何事やら、余に登城せいという仰せ。――其方は承知しておるか』
『先刻、御家老から、承わりました』
『副馬には、いつも、浅月を曳いて参るが、いつぞや、馬場で少し脚を傷めたらしい故、他の馬に、鞍の用意をいたして置くように』
用事は、それだけの事だったので、助右衛門は、ほっとしながら、厩舎の方へ、その足で廻って来た。
下役や中間をさしずして、二刻ほどで、万端の公務をすました。明日の空模様も、まず、晴と見ながら、表方へ来ると、ちょうど、徒士目付の神崎与五郎も、供廻りの用意を終って、御用部屋の大きな火鉢のそばで一ぷく喫っていた。
『やあ、御苦労、終ったのか』
『お副馬が、変ったので、今、急に御鞍を取り変えたり、手入をし直したりして、やっと仕舞ってきた』
『明日は、例日でもないのに、何の御登城であろう。吉事ならばよいが』
『御用人の片岡氏から聞いたのだが、或は、殿に、御大命が下るのではないかといううわさがある』
『御大命とは』
『勅使御下向の饗応役に』
『そうか。それなれば、御名誉だが』
すると、後向きに、何か机に向って、帳簿をつけていた、小納戸役の田中貞四郎が、