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なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Read 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 262,100 characters · 523 screens
「三人組だ。おめえと俺と旅川周馬と」
「周馬? それは一体何者なのだ」
「まあいいから、俺と一緒に桜新道の喜撰風呂まで来るさ。そこでその男にもひきあわせるし、うまい相談もしようじゃねえか」
「いや、拙者は一刻も早く、見失った弦之丞の宿だけでも突きとめねばならぬせわしい体、これでご免をこうむるといたそう」
「野暮をいうなよ、湯女遊びをすすめるのじゃねえ、底を割って話すと、この孫兵衛も、そこにいる周馬という男も、少し仔細があって、弦之丞めをつけ狙っていたところなのだ」
「えっ、きゃつを?」
「だから、ひとつ三人組で、それを相談しようというのだ」と、熱を上げて説きつけていると、ちょうどそこの河岸ッぷちへ、バラバラと駈け寄ってきた二人の子供。
見ると、お獅子の姉弟である。
きょうも角兵衛を稼いで、家へ帰る途中だろうに、そこらの小石を拾い取ったかと思うと、
「――二アつ切った――」
「三ツ切った!」
「――こんどは四ツ」
掬い投げに小石を打って、その小石が川の面を、つッ――つッ――と千鳥に水をかすって飛ぶ数をかぞえて興がりだした。
「えい、びっくりした」と、お十夜が睨みつけると、その血相に縮みあがって、逃げだしながら、お三輪と乙吉。