Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Read 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) by 柳田 国男 (やなぎたくにお) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 257,350 characters · 507 screens
嫁盗み
私がかつて出していた『郷土研究』という雑誌の第一巻に、しばらくは無名氏という投稿で、やがて折口信夫という名前で寄稿する人があった。後にはそれが折口信夫君であることがわかったが、信夫という名前も、折口という哲学の哲という字を二つにしたような苗字も、ペンネームであろうと、ほおっておいたところ、二、三カ月もしてから、中山太郎という人が、「折口というのは国学院を出た実在の人ですよ。しかし大へん変った人です」という話であった。何とかして会ってみたいと思っていたが、そのころ私は貴族院書記官長の仕事をしていたので、折口君の方では億劫がってなかなか寄りついてくれなかった。後にはごく親しくなってしまったが、その折口君が『郷土研究』に、「三郷巷談」といって大阪の南の方、木津とか難波の報告をよせてくれた。これにはいろいろと、ハッと思うようなことがらが多かったが、とくに「ボオタ」という嫁盗みの風習は興味深いものであった。
嫁盗み
折口君の報告はたしかこんな話であった。大阪の木津・難波・今宮の三郷では、明治の初年ごろまで「ボオタ」という嫁入りの風習があった。
「あの人もボオタで嫁やはったのに、えらいええし(好い衆)になりやはったもんや」