Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Read 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 240,656 characters · 478 screens

Aozora Bunko

黒めが、やわか別嬪逃がすまじと、ほら、のう、あの通り今もなおしきりと弾んでいるわ、わはははは、わはははは、のう、どうじゃ、畜生のあさましさとはまさしくあれじゃわ。はははは、わはははは」

「なにがおかしいかッ。われら笑いごとでござらぬわッ。嘲笑がましいことを申して、おぬしは一体何者じゃ」

「身共かな、身共は、ほらこの通り――」

打ち笑みながら、ずいと突き出したのはあの刀傷です。

「のう、御覧の通りの、ま、いわば兇状持ちじゃ。これなる眉間の傷を名乗り代りの手形に致して、かように釣の道具を携えながら、足のむくまま、気のむくままに、退屈払い探し歩く釣侍と思えば当らずとも遠からずじゃ、時に、いかがでござるな。御怪我はござらなかったかな」

「からかいがましいこと申すなッ。おぬしなぞ対手でござらぬ! 憎いはその百姓じゃ! 己れの罪を素直に詑びたらまだしも格別、馬のせいに致すとは何ごとじゃッ。出い! 出い! 是が非でも打った斬ってつかわすわッ。隠れていずと前へ出いッ」

「いや、そこじゃて、そこじゃて。馬のせいに致したと大分御立腹のようじゃが、これなる若者、身共はいっそほめてやりたい位のものじゃ。