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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Read 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) by 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 84,829 characters · 169 screens
それも、不法な元軍が、日本を襲った時、上は亀山天皇をはじめ奉り、諸国の武士はもちろん、九州や壱岐、対馬の漁民まで、日本国中が一致団結して、元軍十万を、博多の海に皆殺しにしてからこの方、日本人は海をおそれなくなった。
もちろん、それよりも前に、南支那海や、太平洋を渡って遠くの国々へ行ったものもあるに違いない。
げんに、今から千六、七十年ほど前に、平城天皇の第三の皇子、高岳親王――仏門に入られてからは、真如法親王とよばれた方が、天竺(インド)に渡って仏教を研究されるために唐(支那)の広州の港から、船で天竺に向われ、途中、このシンガポールの近くで崩ぜられているのだ。親王の崩ぜられた場所は、シンガポール――今は昭南島の北東、ジョホール河の岸辺であったといわれている。マレー半島から、昭南島に渡る突端のあたりである。
それから五六百年ほどして、八幡船があらわれた。
天竜寺船や御朱印船のような貿易船も南の海を渡って、呂宋(フィリッピン)、渤泥(ボルネオ)、安南(仏印)、暹羅(泰)の国々や島々と、日本との間を往き来した。
豊臣秀吉は、朝鮮征伐をおわったら、明(支那)や呂宋(フィリッピン)、天竺(インド)を攻め取って、帝都を支那にうつし、加藤清正を天竺(インド)の太守にするつもりだった。