Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Read 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) by 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 84,829 characters · 169 screens
旦斎の発見
書面の文字は、途中で万一、奪われても差支えのないように、わざとわかりにくいものにしてあった。
使いの武士は、ながい年月を費して、ようやく日本へたどりつくことが出来た。が、その人は上陸してから間もなく無残な最期をとげ、書面は行方が知れなくなってしまったのだった。
旦斎の発見
今から三百年ほど前、園部旦斎という学者が、偶然、江戸(東京)で、その書面を手に入れることになった。旦斎は、東北のある藩の儒者――殿様に漢学を教えていた学者だった。
「先生、珍らしいものが手に入りましたが」
ある日、出入りの骨董屋が、旦斎の前に、見なれない細工をしてある、小箱を一つ差出した。
旦斎は、ひさしぶりで、殿様のお供で江戸(東京)へ出て来ていた。江戸へ出て来ると古本や、骨董をあさるのが、旦斎の何よりのたのしみだった。
「キリシタン、バテレンは御免だぞ」
「とんでもない、そんなもんじゃあございません、実は、あっしどもにもわからない品なんで、先生なら、ひょっとして、おわかりだろうと持って上ったわけなんで……」
「ふむ、なるほど、これあ、南蛮ものとも違うようだな……」
旦斎は、いつもの癖で、小箱をとりあげると、すかしてみたり、叩いてみたり、いろいろと調べだした。