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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Read 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 73,583 characters · 149 screens
「――しめた」
「懐を見ろ、早く」
一人がかがんで、倒れている数馬を引起こし、懐から密封した書状を取出した。――上紙を披いて検めると、相良外記はじめ重臣たちの署名血判のある御遺言書だ。
「これに相違ない!」
「よし、引揚げろ」
一人が振返って、
「おーい、駕籠」
と呼んだ。するとかねて用意してあったらしく、坂口の暗がりから、一梃の武家駕籠が現れた。
「死体の始末は頼んだぞ」
「は、――」
「手落ちのないようにしろ」
そういって一人は虎ノ門の方へ足早に立去り、残った二人は、数馬の死体を駕籠に乗せて赤坂見付の方へと姿を消した。
数馬は斬られた、頼宗の御遺言書は奪われた、この三人の怪漢は何者であろうか、なんのために御遺言書を盗んだのであろうか、――溜池の水はそんな悲劇をも知らぬげに、星をうつして静まりかえっていた。
虎ノ門の方へ去った一人は、琴平神社の近くまで来ると覆面を脱り、やがて何喰わぬ顔で愛宕下の金森家の門をくぐると、――そのまま家老相良外記の家へ入って行った。
外記の家の奥座敷には、金森頼母をはじめ藤田中書、河原三十郎、添上靭負、松村伊太夫、主人外記の六名が、何事か密議の最中だったが、若侍が来て、