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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 139,179 characters · 280 screens
平次は意地悪く動こうともしません。
「そんな事を言わずに、ちょいと行ってやって下さいよ、――仙太兄哥は、与母吉を縛ってしまいましたよ」
「俺が行ったところで、それより解る道理はない、誰か下手人を庇っているんだ」
「ヘエ――、そんな事がどうして解るんで」
「テニハの合わない殺しがあったら、そう思え。与母吉でなきゃア、女三人のうち、誰かが下手人を知っているに違えねえ」
「だから行ってみて下さいな」
「厄介な野郎だ、そんな事じゃ、いつまで経っても、一人立ちは出来ないぜ」
「ヘエ――」
叱られながらもガラッ八は、いそいそと先に立ちました。
相模屋へ着いたのはもう夕刻、大きな門松を潜って入ると、中は御通夜の支度で、勘次郎の死体を階下に移し、昼来た時とは打って変って賑やかになっております。
「親分、旦那に逢いますか」
「いや、納屋と外廻りを先に見よう」
平次は店口からすぐ裏へ廻って、勘次郎の殺された部屋の下へ立ってみましたが、ガラッ八が説明した通り、ここからは梯子がなければ二階へ入る方法はなく、梯子があったところで、狭い木戸や土蔵の間を、人に知られずに持ち込む工夫はありません。