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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Read 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) by 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 192,693 characters · 377 screens
凧の糸には多く小さな刃が附けてあって、それで敵凧の糸を切るのであった。
藩邸の凧揚げは右の通りの有様であったが、なお町家でも凧揚げをした。これは往還でも揚げたが、多くは屋根にある洗濯物の干し場で揚げた。町家同志ではからまし合いはなかった。また藩邸のが町家のとからまし合いをするという事は決してなく、そういう事をすると恥辱としてあった。
凧の種類をいえば、今もある長方形のものの外に奴凧があった。これは主として小さな子の揚げたのだが、奴凧でもかなり大きいのもあった。障子骨というのは縦に三本骨がある凧で、からますには丈夫であるが、それだけ手繰るには不便であった。縦一本の方が工合が宜かった。凧の面には多くは『龍』とか『寶』とか『魚』とかいう文字が書いてあった。絵凧には達磨、金時、義家、義経などが描いてあって、なお障子骨になると、『二人立ち』『三人立ち』といって、二、三人の武者が描いてあった。これは価も高かったので、こういうのを持っている事は誇りになった。凧糸は凧の大小に従って太さに等差があったが、からます時には凧の大きさよりは一、二等ずつ上の太い糸を用いたものである。