Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
黄金の雨のような陽の光の中に、そういう彼女の立っている姿は、艶美というよりも妖艶であった。
浮藻は髪を絞りながら、そこからしたたる水の滴を、水晶の簾さながらに、胸や腹に懸けながら、声を張って歌い出した。
澄んだ清らかな声ではあったが、烈しい情熱と悶えとが、その底に強くこもっていた。
それはもう決して無邪気な童心な、小娘などの声ではなく、肉体も感情も成熟し、異性に憧憬れ恋の苦しみに、さいなまれている女の苦しみ――それを現わした声であった。
でもその声は男を知らない、――だから男を知ろうとしている、発達した処女の声でなければならない。
高楼の欄干には姫が一人、
湖水の小船には武士が一人、
見交わす瞳には恋の※(「火+稻のつくり」、第4水準2-79-88)、
来ませ来ませと呼び合う声
そう歌う浮藻のそういう声こそ、恋人を呼ぶような声であった。
一町も二町も響きそうな、そういう高い声であった。
小次郎を恋しているのであった。
とげられない恋の小次郎を!
でもどうして二人の恋が、今にとげられないでいるのであろう?
小次郎の心が変わったからであろうか?
いや決してそうではなかった。