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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

洞窟の中

鬼火の姥の眷族なのである。

洞窟は意外に広く高く、そうして奥は深いようであった。

どこまでもつづいているようであった。

ずっと向こうに数枚の荒筵が、つなぎ合わされて垂らしてあった。

その隙間から墨のような煙りが、束となってって吹き出して来て、こっちの部屋に押しひろがり木の葉や枝に蔽われているが、しかし、さすがに昼の光によって、明るく窓のように見えているところの、洞の口から流れ出して行った。

これはいったいどうしたことか? 数匹の犬や、猫や、兎や、狐や、猯が四足をしばられ、地面にころがされているではないか。

荒筵の遥かの奥の方から、祈祷の声が絶えず聞こえ、鈴を振る音が合間合間に聞こえた。

人の呻き声や叫び声、犬の吠え声や狐の啼き声で、こっちの部屋は喧騒していたが、その喧騒を貫いて、鬼火の姥の上げる祈祷の声と、鬼火の姥の振る鈴の音とが、そんなように聞こえて来ることは、かなり怪奇で物恐ろしかった。

しかし十数人の男や女が、のたうったり転げ廻ったり、搦み合ったりして狂っているのは、決して闘っているのではなかった。

煙りに苦しみ、悪臭にもがき、二十日以上に渡る蟄居生活に、すっかり心身衰弱し、衰弱の余りの兇暴的発作、――それの現われに過ぎないのであった。