Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

水精の群れ

「や、姥か! ……少しばかり邪魔な」

「範覚ウ――ッ」

と姥は走り寄った。

「テ、手に入れたわ、レ、連判状オ――ッ」

「ホ、ほんとかア――ッ」

と首を延ばしたが、

「娘は?」

と尚もキョロキョロし、

「ホ、ほんとかア――ッ、偉い偉い! ……が、娘は※(感嘆符疑問符、1-8-78) 娘は娘は※(感嘆符疑問符、1-8-78)」

この時傍らの大槻の木の、てっぺんあたりから雪のように白い、布のようなものが舞い下りて来た。

水精の群れ

雪のように白い布のような物は、鬼火の姥を上から蔽うた。

「ワ――ッ」

「ギャ――」

と、布のような物は、すぐに宙へ舞い上がった。

「連判状を取られた――ッ」

「ケダモノ――ッ」

と、範覚は槻の木の梢の、猩々を目掛けて金剛杖を投げた。

「ギャ――ッ」

と猩々は悲鳴を上げ、もんどり打って地へ落ちてた来たが、折られた片脚を引きずって、また槻の木へ掻き上がり、枝から枝、梢から梢へ、渡り伝わり姿を消した。

「取られた、連判状を! ……? あッ、あッ、取られた――ッ」

姥は地面へペッタリと坐り、阿呆のように空ばかり仰いだ。

戦いはしかしこの大藪地の、あなたに行なわれているらしく、喚声や剣戟の烈しい音が、嵐か怒涛のように聞こえて来た。