Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
まどわしの声
「うむ」
と一言云ったばかりであった。
京の町々は眠りの中にあって、家々の雨戸も窓も蔀も、ことごとく閉ざされて寂としてい、天の河ばかりが屋根に低く、銀の帯を引いていた。
と、頼春は譫言のように云った。
「連判状を奪われたそうな」
「…………」
小次郎は微笑した。
そうして懐中をヒョイと抑えた。
(俺、その連判状を持っているんだぜ)
だが言葉には出さなかった。
「わしは今夜血判したのだ。……お企てへ一味し忠誠仕る。もし偽りあるにおいては、梵天帝釈四大天王、日本六十余州の神祇より、きっと冥罰を受くべきものなりと、誓ったあげく姓名したため、しかと血判いたしたのだ」
依然として頼春は譫言のように云った。
小次郎はまた微笑した。
(その連判状おれ持っているんだ。……兄上が叩き斬ったあの男の手から、ころがり落ちた連判状をよ)
二人は無言でしばらく歩いた。
「その連判状奪われたそうな。……奪った奴が六波羅方で……」
「アッハハハ」
とおかしくてたまらず、とうとう小次郎は声を立てて笑った。
まどわしの声
「何がおかしい!」
と頼春は怒鳴った。
「この身の心の苦しさも察せず」
「じゃと申しても、兄上兄上、どうにもおかしゅうございます。