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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

こう考えてこの館で、血書きの写経をやり出したのであった。

桂子は筆を運ばせて行き、それを見つめながら白猩々は、なお立ち去らずにかしこまっていた。

桂子は苦しそうに溜息をした。

小次郎の凛々しい俤と、それに関する妄想とが、払っても払っても脳裡に去来し、彼女の煩悩をそそるからであった。

(いっそ小次郎をここへ呼ぼうか)

ふと桂子はこう思った。

血書き写経のさまたげになると、そう思ったのでこの館へ、小次郎の来ることをかたくとどめ、二条の館へ止どめて置いた。

で、この館には浮藻のほかに、幽霊女だの鶏娘だのの、女の家来数人と、右衛門だの袈裟太郎だのの、男の家来五六人を、めしつれて来たばかりであった。

小次郎の姿を見なくなってから、二十一日経っていた。

そのためかえって彼女の心に、妄想が起こるように思われた。

(そうだ、小次郎を呼ぶことにしよう)

小次郎が側にいて何くれとなく話し、起居動作してくれたら、かえって心が慰められ、写経も進むように思われた。

桂子は側の鈴を振った。

鶏娘が襖をあけた。

「袈裟太郎を呼んでおくれ」

鶏娘が顔を引っこませ、代わって風見の袈裟太郎が来た。