Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
「知らぬ」
と、小次郎は平然として云った。
「どこへ行ってよいか知らぬのじゃ」
「痴者め!」
と、陸奥守は笑い、
「汝の行き場所、汝知らぬのか?」
「姉を尋ねて行くのであるが、どこにおわすか知らぬのよ」
「汝ら何んだ?」
「われらは兄妹じゃよ」
「黙れ!」
と陸奥守は嘲笑った。
「似ても似つかぬ顔を持った、そのような兄妹がどこにあろうか」
「兄妹じゃ、義兄妹じゃ」
「アッハッハッ、そうだろうと思った。今でこそ義兄妹、アッハッハッ」
「さよう、姉上さえお許しならば、われら夫婦になろうもしれぬ」
「また姉上か、そやつ何者じゃ!」
「云わぬよ」
と小次郎は素ッ気なく云った。
ここが関東軍の本営であり、そこへ捕えられた自分達であり、自分達の訪ねて行く姉というのは、宮方に味方する桂子なので、それを明かしたなら自分達の身は、安穏ではあるまいと思われたので、知らぬよと素ッ気なく云ったのであった。
それに桂子に養われていたため、小次郎の心は宮方であった。自然武家方のこの連中には、強い反感を持っていた。で、事ごとに素ッ気ない。ぶっきらぼうの返辞をするのであった。
(どうせ敵方に捕えられたわれらだ。