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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

「漢権守様のお城でございます」

と、その娘は言葉すくなに答えた。

「いつまでご厄介になれましょうか?」

「永久にでございます」

「永久に? ……でも、わたしとしましては……尋ねる人がありますので、早晩おいとまいたしませねば……」

「はいったが最後出られません」

「まあ」

と、早瀬は笑い出してしまった。

信じられないからであった。

城内はどこを歩いてもよいが、城外へは決して出てはいけない。誰と何を話してもよいと、そう娘は教えてくれた。

「下の町へも参れませんの?」

と、審しそうに早瀬が訊くと、

「いずれはあそこであなた様も、お住居になることでございましょうが、まだ時が参りませぬゆえ」

と、その娘は気の毒そうに答えた。

早瀬は、これまでの習慣から、人と話すことを好まなかった。

そうして、昼間は部屋から出ないで、夜になるのを待ちかまえて、一人でこっそり歩き廻ったりした。

お城にもお長屋にも沢山の人が、生活しているように思われた。

(それだのにどうして陰気なんだろう?)

これが早瀬には気にかかった。

妖怪画のような縦隊は、別櫓の方へ進んでいた。

五重の層を持った別櫓の、頂上の部屋に鬼火の姥が、水盤の水を見詰めながら、傍らの範覚へ云っていた。