Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

「どなたにかおいででござりまするかな? おいででござらばお情けをもって、この哀れな裏切り者を、大塔宮様のご前まで、なにとぞご案内くださりませ。……許すとのお言葉をうけたまわりたさに、比叡山から赤坂から、熊野からこの地へまで、お後慕うて参りましたもの。……この館に宮様おわすと知り、お眼通りいたしたく存じながら、日夜にご警護きびしければ、今日まで希望とげがたく……しかるに今夜は館の警護、はなはだ手薄く存じましたれば忍び入りましてござります。……お情にご案内くださりませ」

云い云いまたも耳傾けたが、

「ご返辞がない。……誰もいぬそうな」

ソロソロと歩き出した。

宮家はその後を眼で追いながら、

(裏切り者だと云ったようだが。……どういう意味の裏切り者か? ……それにしてもわしの後を慕って、比叡山から赤坂、熊野と、この土地へまで来たとは気の毒、話して事情を訊ねるとしよう)

宮家は声をおかけになろうとした。

しかしその時足音がして、誰か走って来るようであった。

で、宮家は振返り見られた。

村上彦四郎が走って来ていた。

「宮」

と近寄ると囁くように云った。

「一大事! ……なにとぞこちらへ!」