Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
……されば、宮家におかせられましても、股肱耳目ともおぼしめされ、お頼みあそばさるることと存ぜられまする。……その一人が欠けますることいかばかり残念至極! ……しかるに錦の御旗は、大権の所在を示すところの、唯一無二の神聖なる標識! で、これとても朝敵同様の、芋ヶ瀬の荘司ごときにお渡しあそばさるること、しかるべからずとは存じまするが、しかし古来より合戦の場合、旗指物を戦場に遺棄し、敵の手にこれを奪われました例、決して少なからずござりまする。……で、この点宮家には、とくとご勘考あそばされまして……」
「いかにも」
と、合槌を打ったのは四条左少将隆貞であった。
「のみならず錦の御旗は、敵に奪われたと申すではこれなく、方便としてただ一時、彼らにお下げ渡し遊ばさるるまで。……しかもこれとても考えようによれば、彼らに朝家のご威徳を、光被させましたことにもなりましょうか」
「うむ」
と、はじめて大塔宮には、幽かに御声をもらされた。
「まことにそちたちはわたしにとっては、手足でもあれば耳目でもあるよ。……一本の手にても取られてはのう。……笈の中より御旗を出せ!」
おくれてこの郷へ入り込んで来たのは、村上彦四郎義光であった。