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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

顔に白布をかけている。

不具車の中にいるものは、両手と両足とを切断られ、首と胴ばかりになった男であった。

土岐蔵人頼春であった。

その顔もその胴も、骨と皮ばかりに痩せていた。

盲目の眼を前方に向け、歯のない口をポッカリと開け、破損れた笙のような嗄れた声で、

「大塔宮様ご幽居あそばさるる窟までご案内くださりませ」

と云った。

理智光院も南の方も足を止め、妖怪さながらの不具の乞食を、驚きの眼をもって凝視した。

「神の界に属しまつる御一方――大塔宮様にお眼にかゝり、許すとの御言葉承まわりたさに、御後を慕うて諸国をさまよい、この地にご幽閉と承まわり参りましたものにござりまする」

そう頼春は云いつづけた。

「誰じゃ?」

ようやく理智光院は云った。

「姓名は? 身分は?」

「昔は由緒ありましたもの、今は非人にござりまする。……裏切り者にござりまする」

「裏切り者? 裏切り者というか?」

「※悔の罪人でござりまする! 浄罪の巡礼にござりまする」

「…………」

「殺人の鬼にござりまする」

「…………」

「裏切りをし、※悔をし、浄罪の旅に出でながら、人を殺し、自身も斬られ、後悔し、※悔をし、しかもその後も人を殺し、月日を経ましたものにござりまする」