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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

――そういうことも主人の芳兵衛は知っていて、たいていの場合はなにも云わないが、ぬけ遊びがたび重なると、しぜん仕事にひびくので、そのとき初めて小言を云い、それでも行状が改まらないと暇を出してしまう。五年のうちに二人くらいはそういう職人がいて、これらは芳古堂にいた、と云うことも許されないのであった。

栄二とさぶは心がときめいていた。

「はたちになったなんて、へんな心持だな」とさぶがまだるっこい調子で云った、「おら、思うんだが、十六で月代を剃ったときよりもへんな心持だ」

「そうだな」と栄二が云った。

二人は千筋の手織り木綿の袷に双子縞の羽折、小倉の角帯をしめ、麻裏草履をはいていた。ちょうど黄昏どきで、人の往来の多い小舟町の通りを東のほうへ、かくべつ目的もなくあるいていた。とにかく両国広小路へでもいってみようか、と思っているようであった。

「おめえはいいな、栄ちゃん」とさぶが云った、「おめえはもう屏風にかかれる、襖の下張りならいちにんめえだ、ところがおらときたら、いまだに糊の仕込みだ」

「それも仕事だぜ」

「おら、思うんだが、水の中で袋を揉みながら、ときどき自分がやりきれなくなるよ、はたちにもなってこのざまかって」