Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

一の四

と栄二は答えた、「何年も会わなかったわけじゃない、たった二年ここへ来なかっただけじゃありませんか」

「あたしも大きくなったでしょ」

「こんちは」と栄二は廊下にいるおきみに呼びかけた、「暫くでした」

おきみはおっとりと頷いて、いらっしゃいと、ゆっくり云った。

一の四

そこへ主人の徳兵衛がはいって来、多市が紙見本をひろげた。徳兵衛は相変らず酒臭い息をしていた。

「ちょっと来てよ、栄ちゃん」とおそのが云った、「あんたに見せたいものがあるのよ」

「そのちゃん」と廊下でおきみが云った。

「ねえ、お父っさんいいでしょ」とおそのが父親に鼻声で云った、「栄ちゃんにちょっと見せたいものがあるのよ、あっちへ来てもらってもいいわね」

姉がまた「そのちゃんったら」とたしなめ、徳兵衛は無関心に手を振って、「うるさい、好きなようにしろ」と云った。栄二は救いを求めるように多市を見たが、多市は笑いもせずに、顎をしゃくって、ゆけよ、という表情をした。

「さあ、栄ちゃん」とおそのは彼の手を取った、「ねえ、早く」

あのころのままだな、と栄二は思った。兄弟子たちとここへ仕事に来ると、必ずこの姉妹につかまって遊び相手をさせられた。