Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

七の三

のが見えた。

「――ああ、あれが」と呟いて栄二は立停った、「あれがおとよというんだな」

七の三

さぶはきちんと五日めごとに訪ねて来た。仕事が終ってから来るのだろう、島にはきびしい門限があるのに、さぶの訪問は許されるのであった。いつか赤鬼が「きさまにはひいきのうしろ盾がある」と云ったし、その他のことでも自分が特別な扱いを受けているらしいとは栄二も勘づいていた。しかし彼はさぶには会わなかった。人見張役の小島もしいてとは云わず、その代りに差入れの包みだけは持って来、黙って置いていった。その中には菓子とか、蒲焼やすしの折詰とか、肌衣や下帯などが入っていたが、栄二はそれらを惜しげもなく、まわりの者に配ってしまった。

初めて蒲焼の折を見たとき、栄二は顔をしかめながら、まぬけなやつだなと呟いた。昔わこく橋の側の屋台店で、よく蒲焼の立食いをした、ということを覚えていたに相違ない。それが帳場の銭箱を思いださせる、とは気もつかないのであろう。栄二はむろん蒲焼にも手は触れなかった。

四月下旬になった或る夜、寝ようとするちょっとまえに、万吉が栄二のところへ来て、外へ出ようと囁いた。