Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
二の一
二の一
二人が堀江町の「すみよし」へいったのは二た月のちの四月十五日だった。
夕めしのあとででかけたから、店にはもう灯がはいり、客も五、六人来ていた。このまえに会ったおかめという女は、栄二とさぶを見たが忘れてしまったのだろう、いらっしゃいと云ったまま、客の相手をしていて動かなかった。栄二はちょっと迷った。客はみな中年者で、この店の馴染らしく、場ちがいの自分たちがどこへ腰掛けたらいいか、見当がつかなかったのである。すると、土間のつきあたりにあるのれんを分けて、これもこのまえ小座敷を覗いた若い女が出て来、栄二とさぶをみつけ、大きく眼をみはって、両手をぱしっと打ち合わせながら、とんで来た。
「いらっしゃい」とその女は云った、「あたしあんたたちを知ってたのよ、このまえの座敷がいいでしょ、どうぞ」
そう云って身を翻し、またのれんの向うへ去った。栄二はさぶに眼まぜをし、女のあとからついていった。女は例の小座敷にあがり、座蒲団を並べたり莨盆を出したり、小屏風を立てたりしていた。
「あんまりせかせかするなよ」と栄二は座敷へあがりながら云った、「眼まぐるしくってしようがねえじゃねえか」