Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
ちくしょう綿文のやつら、あの火消し人足、それから岡っ引め、みんなぶち殺してくれるぞ。たとえ三十年が五十年かかっても、必ずみんなぶち殺してやるぞ、と栄二は躯じゅうの痛みにかけて誓うように、心の中で思った。
「ではやむを得ない」やがて青木は太息をつきながら云った、「奉行所へいって吟味するとしよう」
そして番太の老人に、駕籠を呼んでやれ、と命じた。
栄二は駕籠にのせられて、北町奉行所へ連れてゆかれ、仮牢へ入れられた。牢へ入れるには町奉行の許可を必要とするが、青木は役所詰の与力で又左衛門という者と話しあい、空いている仮牢へ入れたのであった。又左衛門の姓はやはり青木であり、功之進の一族でとしも四十五歳、北の奉行所では上席与力の一人であった。――栄二はこれらのことには無関心だった。むろん牢舎のことなどはなにも知らないし、そこが北町奉行所だということさえ知らなかった。彼は自分の中にかたく閉じこもって、外からはなにものも入れまいと思った。世間ぜんたいが敵だ、これを忘れてはいけない。金持は金の力で、役人は権力で、罪のない者を罪人にすることができる。自分のように金もなく権力もない者には、かれらに対抗することはできない。