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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

「それも仕事だよ、さぶ」と栄二が云った、「表具や経師は糊の出来のよしあしが仕事の仕上りをきめるんだぜ、おめえわかっていねえのか」

「そりゃあそうだが」

「わかってたらぐちを云うなよ」と栄二は云った、「糊の仕込みで日本一になれば、それはそれで立派な職人なんだ、おめえ日本一の糊作りになれよ」

「そりゃあそうなんだが」

しかし芳古堂の職人となれば、表具とか屏風、屋敷襖なども覚えたい。そう云いたかったのだが、さぶは口には出せなかった。

「ちょっと」と栄二が云って立停った。

堀江町と新材木町のあいだに堀がある。その堀端に五、六軒、小料理屋がとびとびにあって、その端の一軒で「すみよし」と紺地に白く、仮名で染め抜いた半のれんを、軒先に掛けている女がいた。小柄な躯もほっそりしているし、襷をかけてあらわになった二の腕も、裾を端折った黄八丈の着物の下に覗いている白い脛も、ほっそりと柔軟そうにみえた。

「なんだい、栄ちゃん」

「すみよし」と栄二は口の中で呟いた、「聞いたことがあるようだな」

「柳橋の料理屋だよ、すみよし、とくい先じゃあねえか」

「そうじゃあねえ、柳橋じゃあねえ、どこかよそで聞いたことがあるんだ」