Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
島へ来てから稼いだ分は、役所で預かって、帳面だけ渡され、毎月その高の合計をしてもらうのだが、初めから持っていた金や、知友の差入れてくれる金品は、自分の手許にしまって置くことができた。――これは寄場が牢と違うところの一例で、行状がよいと認められれば、常着になって外出もできるし、面会人があれば会うこともできた。そのため大部分の者が、多少なりとも金を持っているようであった。
「よく捜してみろ」と人足の一人が云った、「この島で金がぬすまれたなんて話は、これまで一遍も聞いたこたあねえぞ」
「だってねえんだからしようがねえ」と次郎吉はなお包みの中を掻きまわしながら云った、「おらあちゃんと財布に入れて、この着物のあいだへ入れといたんだ」
この問答を聞きながら、栄二は「おや」と思った。いつかは見た顔だと思ったが、次郎吉の声にも聞き覚えがあった。へんにとりいるようでいて狡猾そうな口ぶり、慥かに聞いた声だと思いながら振り返った。
「やいやい、てめえの仕切りはおれの仕切りの隣りだ」とさっきの人足が云った、「てめえまさかおれにいんねんをつけるつもりじゃあねえだろうな」
「そんなばかな」