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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

「珍しくはねえさ」と伊助が独り言のようにぼそぼそと云った、「めいめいが云ったらきりもねえ話だ、世間てえものはそういう仕組みにできてるもんさ、珍しくはねえよ」

「それがさ、当人にはそうじゃないんだな」と与平が云った、「火傷の痛みは火傷をしてみないとわからないらしいし、人によってその痛みも違うらしいんだな、おてんとさまの昇るのを見て胆をつぶすことさえあるんですから」

栄二は心が萎えるように感じた。ご一や伊助がどんなひどいめにあったかは聞くまでもない、男ざかりともいうべきとしで、かれらはもう世間にも、自分の将来にもみきりをつけている。かれらをこんなにも打ちのめすようなからくりが「世の中」を動かしているのだろうか、なんとかいう名奉行は、罪を憎んで人を憎まずと云ったそうであるが、与平が妻を殺そうとしたとき、罪はどちらにあるのか、妻を殺そうとした与平か、それとも与平をそんな気持にさせた妻にあるのか。この寄場は牢ではないと云い、その扱いも牢にいる罪人とは慥かに違うが、いずれにせよ、世間から隔離されるだけの理由があった。自分は一枚の金襴によって、無実の罪に問われ、誰がそんなことをしたか、はっきりさせようとして逆に暴行され、ついにこんなところへ送り込まれた。