Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
そう云って、預かっていた給銀に一両添えて出した、ということであった。
「そのときすぐ隣りの部屋で、おかみさんが誰かと話していたんですって」とおのぶはきつい眼つきをして云った、「大きな声で話したり笑ったりしているくせに、おしまいまで顔も見せないし声もかけなかったっていうわ」
栄二は静かに首を振った、「そいつはなにかわけがあるな、仕事がひまになったからって、夏場になれば毎年のこった、おまけにさぶは病気じゃあねえか、いくらなんだってそんなことで病人に暇を出す筈がねえ、そいつはなにかわけがあるに相違ねえ」
「あたしもそう思ったわ、それでいろいろきいてみたんだけれど、さぶちゃんにはなんにも思い当ることがないって云うの」
「あいつはてんで鈍いからな」
「そう思って、栄さん」おのぶは怒ったように栄二を見た、「さぶちゃんが思い当ることはないって云ったのは、さぶちゃんがてんで鈍いから、だっていうの」
栄二は眼を細めて、じっとおのぶの顔を見まもった。
「栄さんは苦労知らずよ」とおのぶは静かな口ぶりで云った、「――金襴の切のことや、そのあと、あんたがどんなひどいめにあったかということは聞いたわ、あんたがすみよしで酔いつぶれたとき、あたしそんな栄さんは嫌いだって云ったわね、わけを聞いたときすぐにそれを思いだして、たとえ知らなかったにして