Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
十一の二
「よせよ、無沙汰なんかしちゃあいねえ、おめえちゃんと来てくれてるじゃねえか」と栄二が遮るように云った、「それにまたそんな物を持って来て、――もうよしてくれと念を押しといた筈だぜ」
「そんなに云われるほどのもんじゃねえんだよ、部屋の人たちにほんのしるしと、あとはおすえちゃんが切った晒だけなんだ」
「断わっておくが、この足のことをきくのはごめんだぜ」
さぶは小さなまるい眼をそばめた、「――よくねえんじゃねえだろうな」
「それをきくなっていうんだ」
「だって、――」と云いかけたが、栄二の眼つきを見てさぶは頷いた、「わかった、もう云わねえことにするよ」
「すみよしへはいってるのか」
「ああ、ときたまだけれどな、こないだはおのぶちゃんが、またここへ会いに来たいって云ってたっけ」
「またおめえが唆したんだろう」
「そうじゃあねえ、唆しなんぞするもんか、おのぶちゃんは少し酔ってたから、酔ったまぎれに云ったのかもしれねえが、近いうち会いにいきたいって、二度も三度も云ってたんだ」
「おめえを煽ってるんだ、そいつは」
「煽るって、なにを」
「いつまでもはっきりしねえから、おれをだしに使っておめえにふんぎりをつけさせよう、っていうこんたんなのさ」