Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

十二の五

よすほうがいい、およしなさいよ清さん。去ってゆく清七の足音を聞きながら、栄二は心の中で叫んだ。あの女とはうまくいかないよ、おめえまたひどいめにあうぜ。――だが、それが人間というものかもしれない、と栄二は自分に云った。よせと云っても、やってみろと云っても、清七の気持を変えることはできないだろう。おれがなんと云っても、清七は自分のしたいようにするに違いない。この世で生きてゆくということは、損得勘定じゃあない。短い一生なんだ、自分の生きたいように生きるほうがいい、しっかりやってくれ清さん。

十二の五

栄二は小机の上にさぶの手紙をひろげ、それをにらみながら習字をしていた。部屋の向うでは、義一を囲んで、五、六人の男が博奕をしながら、酒を飲んでいた。――その中には金太もいたし、富三郎や仁兵衛、そして彫物部屋の伊助もいた。みんな水玉模様の仕着でなく、縞かめくら縞のふだん着で、あぐらをかいたり片膝立てをしたりして、湯呑で冷や酒を飲みながら、茣蓙の上の花札に眼を凝らしていた。――義一とりゅうのほかは、みな病気だと云って仕事を休んだ者ばかりだし、りゅうは戸口の外に立って、見廻りの来るのを見張っていた。