Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
「おめえならそれでいいだろうが、おれは生れつきのぐずだからな、いまだに糊の仕込みしかやれねえ人間だから、一粒の米もただじゃねえなんて云われると」
「ばか云うな、こっちはただめしなんか食っちゃあいねえぞ」と栄二は怒ったような口ぶりで云った、「手に職をつけてもらうのは慥かだが、遊んでるわけじゃあねえ、小せえじぶんから手足にひびあかぎれをきらし、汗だくになって追い使われてきたんだ、おれたち職人がいればこそ芳古堂もやってゆけるんだぜ、しっかりしてくれよ、さぶあにい」
おのぶが肴を持って来、酌をさせてくれと云って、座敷へあがり、襷を外しながら二人のあいだに坐った。
「いましがた思いだしたが」と栄二がおのぶを見て云った、「――あのときおめえは、ここに姉さんがいるって、云ってたんじゃなかったかな」
「そう、姉さんに傘を届けるところだったのよ」
「まだいるのか」
「死んじゃったわ」と云っておのぶはかぶりを振った、「姉さんのことはきかないでね、ほんとに可哀そうな死にかたをしたのよ、その話をするとあたし泣きだしちゃうから、はいお一つ」
「うちは本所なんだね」とさぶがきいた。
「ええ小泉町」